あがり症克服のための「自分を知る」具体的なステップを教えて下さい。 |
以下にジョハリの窓を利用した自己理解の方法を紹介します。
あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.311より 「汝自身を知れ」。ソクラテスはよくこう言ったが、<自分を知る>というのは良好な自己評価を築きあげるためにはどうしても必要なことである。
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以前、大リーガー松井秀喜選手の緊張しない秘訣は「自分の100%」を知ることである、という話を紹介したことがありますが、自分について知ることは自信を持つことにつながります。またそれは自己評価を高め、あがり症の改善につながります。
ではその具体的なステップとしてはどのようにすすめればいいのでしょうか?
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.312より <自分を知る>ことができるようになるためには、自己理解の道具としてセラピーなどに用いられる<ジョハリの窓>(※)が役に立つ。
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※名前の由来は、この概念の提唱者であるジョゼフ・ルフトの「ジョ」とハリー・インガムの「ハリ」から。
ジョハリの窓
自分が知っている | 自分が知らない | |
ほかの人が知っている | 開放領域 | 盲点領域 | ほかの人が知らない | 隠蔽領域 | 未知領域 |
開放領域
自分が知っていて、ほかの人も知っている領域のことをいいます。例:「ぼくは友情に熱い人間だと人によく言われる。そして親切だと。自分でもそう思っている」
盲点領域
ほかの人が知っているのに、本人はあまり自覚していない領域をいいます。たとえば、自分では才能はないけれど愛想のよい人間だと思っているにもかかわらず、人からは「あの娘(こ)はいいけど、プライドが高すぎる」と思われている場合。この場合、自分では気づいてない領域があることになります。
隠蔽領域
自分はよく知っていても、ほかの人は知らない領域のことをいいます。例:「人には隠しているが、自分はとても嫉妬ぶかい。それに自信もない。ほかの人にはいつも落ち着いて余裕のある顔を見せているけど、本当は不安で仕方がない」。こういう状態をいいます。
未知領域
自分について、自分自身もまわりの人もまだ気づいてない領域をいいます。これまでに経験したことのない状況に置かれることによって、初めてこの領域の自分が発見されることもあります。例:「リーダーを任されて初めて気づいたのは、自分は人をまとめるのが好きで、その力もあるということ」
自己評価を改善して、あがり症を改善するためには、この四つの領域のうち、開放領域を広げることが必要になります。そして、そのためには具体的に三つの方策を考えることができます。
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.312より ・<盲点領域>を<開放領域>に変える。このためには周囲の人の意見を求め、自分についてどう思っているか教えてもらうことも大切である。それがたとえ批判であっても、誰かが自分のことを教えてくれたのであれば、そのことには感謝していい。(中略)
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ぜひ、参考にしてみて下さい。