あがり症や対人恐怖症の方にはどんな助言や励ましをするべきですか?

あがり症克服方法  > よくあるご質問(FAQ)  > あがり症や対人恐怖症の方にはどんな助言や励ましをするべきですか?


あがり症や対人恐怖症の人間を家族や友人に持つ立場の人間からの質問です。彼らに対しては、どんな助言や励ましをするべきですか?




安易な気持ちや知識だけで助言や励まし、説得をすることはかえって逆効果になりがちです。十分な配慮を持って接して下さい。



森田療法のすすめ(高良武久著、白楊社)P.168より

 症状の本態を理解しない家人や医師は、彼らの訴える症状がバカげていると強調し、くよくよしないで気を大きくもてとか、もっと積極的になれと励ますが、いっこうに乗ってこないのでついには怒ってしまうことが多い。

 患者はいかにも小心、弱気、未練の標本のように見えるので、父兄や医師がそのような態度をとるのもやむをえない。

 しかし患者自身、気を大きくもって、自由に活動したいのはやまやまであって、人から言われてすぐ立ちなおれるくらいならば、複雑なからくりをもつ神経質症状とは言わないのである。


 あがり症や対人恐怖症の方に対して、家族や友人が

「気にするな」

「くよくよするな」

「びくびくするな」

 などと言っても、それはあがり症の人の葛藤をなお深くするするだけです。ですから、それらの助言や励ましはかえって逆効果です。症状の重い方からすれば、他人からの助言や励ましは、ただただ古傷を突かれるようなものなのです。

 本書によれば、助言や励まし、説得はどこまでも症状の本態(本当のようす。本来のありさま)をわきまえたうえで行うこと。症状の成り立ちを正しく説明し、その症状からどう解放するかについても具体的に話す必要があるといいます。

 そしてあがり症や対人恐怖症の方が、彼ら元来の素質がけっして劣っているものではなく、むしろ優秀なものであることを例をもって示すことが必要です。安易な気持ちや知識だけで助言や励まし、説得をすることは禁物です。