睡眠時間があがり症と関係あると聞きましたが本当ですか?

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睡眠時間があがり症と関係あると聞きましたが本当ですか?

睡眠時間とあがり症は関連性があります。あがり症の人は、緊張する場面のある前日は十分に眠っておくことが大切です。



精神科医が書いたあがり症はなぜ治せるようになったのか
(木村昌幹著、現代書林)P.161より


 あがり症で不安傾向にある人は、セロトニンのはたらきが悪いために、昼間にしっかりした覚醒ができません。また、交感神経がいつも緊張しているため、夜になってもからだが眠る態勢に入りません。このため、寝つきが悪い、夜中に目が覚める、早朝に目が覚めて眠れない、眠りが浅いといった「睡眠障害」におちいりやすいのです。

 人間は、からだを休め、脳を修復しているといわれています。しかし睡眠がうまく取れず、からだや脳のリカバリーができないと、脳は反応的に副腎皮質ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンをたくさん分泌させます。

 アドレナリンやノルアドレナリンは「戦闘ホルモン」と呼ばれるもので、闘う、もしくは逃走するといった非常事態に適応するために分泌されます。心臓はドキドキと高鳴り、血圧は上がり、血糖値も上がります。緊張の汗が全身にふき出し、からだも熱くなってきます。

 そうです、ちょうど人前でスピーチをしたり食事をしたときと、まったく同じからだの反応が起こってくるわけです。


 本書でも紹介されているように、寝不足の状態で、自分が強く不安や緊張を感じるという場面を迎える。これは最悪の事態といえます。

 ただでさえ不安や緊張を強く感じる場面です。心臓はドキドキし、血圧も高いという状況になり、それを察知したからだは「自分はもう不安や緊張を感じている。やっぱりダメだ」という気持ちになってしまいます。これがさらなる不安と緊張を呼び込んでしまいます。

 現代人はどんどん寝る時間が遅くなっていると言われていますが、早寝早起きは脳内のバランスを正常に戻す。そして脳の正常な発達をうながしてくれます。

 あがり症の傾向がある方は、緊張する場面のある前日は早めに休む。そして十分な睡眠をとるように心がけることがとても大切です。