大事な場面で簡単に緊張をほぐす方法を教えて下さい。

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大事な場面で簡単に緊張をほぐす方法を教えて下さい。

著名な脳機能学者がおすすめする方法を紹介します。


 強い緊張や不安が生じる状況に慣れていない人が大観衆の前に出る。スポーツの世界で試合を左右するような大事な場面に出くわす。こんな時、やはり緊張して体はガチガチになってしまうと思います。

 そこで、リラックス状態の簡単な作り方を紹介します。


本番に強い脳と心のつくり方(苫米地英人著、PHP新書)P.163より

 脳のからくりを利用した方法で、「緊張をすればするほど、リラックスができる」ことを利用します。(中略)

 リラックス状態のときに分泌されるセロトニンには、アドレナリンやドーパミンなどの抑制物質としての役割があります。つまり「緊張するからこそ(アドレナリンやドーパミンが分泌されるからこそ)、リラックスもできる」のです。

 ですから「いま自分はすごく緊張している」と感じたら、「緊張してラッキー。このあと思いっきりリラックスできるじゃん」と考えれば、そのとおりになるのです。逆に「緊張してマズイ。なんとか緊張を解かなきゃ」と焦ってしまうと、ますます緊張が解けなくなってしまいます。

 人間の脳の仕組みとして、ずっと緊張を続けることはできません。緊張すればするほど、アドレナリンやドーパミンが出れば出るほど、それを抑制するために勝手にセロトニンが放出されるからです。

 脳のこうしたからくりを知っていれば、緊張してもすぐに対処できます。


 別のよくあるご質問で、セロトニンには「心のバランスをとる」はたらきがあり、ドーパミンとノルアドレナリンという2つの脳内物質をコントロールする。ドーパミンが多すぎれば行動が暴走してしまう、ノルアドレナリンが多すぎれば心が不安定になる。 このような極端な状態を避け、平常心を保ってくれるのがセロトニンであるという話を紹介させて頂きました。

 本書によれば、緊張したとき、

「今、自分は極度の緊張状態にある。もうすぐ本番なのにマズイな」

「本番まであと5分。なんとかリラックスしなきゃ」

 と心の中で思う、強く意識して焦ってしまうことがいちばんよくないといいます。あがり症の方は特にそうですが、緊張を緩めようと強く思えば思うほど、逆に緊張してしまうものです。

 ですから、焦るのではなく、気楽な気分で「いまノルアドレナリンが出ているから、次はセロトニンの出番だな」と体内物質の性質を把握することで勝手にリラックス状態になることができます。ご参考にして頂ければと思います。